「ピアノ」はベース、ドラムと同様、50年代にジャズの中心的楽器と認識されるようになりました。他の楽器と違うのは、和音と旋律が同時に奏でられる点や、鍵盤を打って音を出すという奏法の特性により打楽器的なリズムも生み出せるという特性を持っていること。そのため、ソロ、コンボ、オーケストラなど様々な編成において大きな役割を担っている楽器として知られています。
また、こういった特性から、作曲や編曲、和音研究のためにピアノを用いるミュージシャンが数多いのも楽器としての魅力のひとつと言えますね。特に、サックスやトランペットなどの奏者は、ピアノで作曲・編曲をすることが多いそうです。
ところが、ピアノ単独のジャズは非常に少ないのです。もともと即興演奏に価値があると認識されている音楽であるジャズ。各楽器の掛け合いがその魅力でもあるのですが、即興演奏中の演奏者は作曲者でもあるわけです。そうなると楽器の特性上という理由もあるのですが、延々と聴衆を飽きさせない演奏を単独で続けること自体が非常に難しいからです。
名作はあれど、その数が少ないのはこういう理由からです。とはいえ、キース・ジャレットのように一時間以上も楽譜なしで素晴らしい演奏を聴かせてくれる演者もいます。突出した奏者が存在する楽器ともいえるでしょうね。
たとえ同じ曲だとしても、奏者が異なるだけで場合によってはまったく異なる曲に感じられてしまうのがジャズの魅力。特にピアノは、他の楽器と比べてもその色が濃いといえます。
ジャズピアノの巨匠と呼ばれている、バド・パウエル、ビル・エバンス、トミー・フラナガン、ハービー・ハンコックの演奏は特にチェックして欲しいですね。