1900年代初頭のアメリカ南部の都市ニューオリンズ。この街でジャズは黒人の黒人による娯楽として誕生しました。奇しくもルイ・アームストロングがこの街に生誕したのが1901年。彼とジャズの誕生がほぼ同時というのは、何か因縁めいたものを感じます。
初期に活躍していたのはバディ・ボールデン、キング・オリヴァー、キッド・オリー、ジェリー・ロール・モートンなど。後にティーンエイジャーとなったアームストロングがこれに加わり、ジャズの街としてニューオリンズは知られるようになりました。
その後、ミシシッピ川を北上しながらジャズは様々な土地に広がって行きます。北上した先にあるのはシカゴ。その先にあるニューヨークを見据えてミュージシャンたちは移住を開始します。アームストロングもその一人でした。彼のシカゴ移住こそが、ジャズが隆盛するに至った大きな理由のひとつだと言われています。
多くのミュージシャンの移住により、1910年代にはニューオリンズでのジャズの発展は止まってしまったといわれていますが、シカゴを拠点に変えてもその勢いは収まらず、1920年代にはニューヨークでも評判を得るようになりました。
現在でもビックバンドと呼ばれ愛されているジャズ楽団の祖は、カンザス・シティで生まれたカンザス・シティジャズだと言われています。ここは、その後のモダンジャズの巨匠を数多く生み出したことでも知られています。この頃になると、白人層にもジャズは受け入れられ、また魅了されて演奏者になる者も誕生するようになります。
演奏者が増えれば、それだけ解釈も増えていくのは必然だったのでしょう。この後、ニューヨークを中心にジャズの大隆盛時代が始まります。
書き記せないほど多くのジャズが生みだされ、これらが更に発展し、そして全土に広がって行きました。
電子楽器の登場と時をほぼ同じくして、ジャズ自体の音楽性が大きく広がって行きます。
ヒップホップジャズやボサノヴァもジャズから派生した音楽なのです。
優れた音楽でありながら、時代背景によってその音楽性の幅を広げ続けているジャズ。この一か所にとどまらず、時代時代の息吹を吸収するかのように、どん欲に発展し続ける点こそが、ジャズがこれほどまでに広く愛される要因だと思います。