昔のバンド仲間に連れられて、初めて足を踏み入れたジャズ喫茶。以前から興味はあったんです。しかし、どうも敷居が高いといいますか、狭い空間で人との距離が近い(ように外から見える)ので、入りづらいといいますか、とにかく今までは入ったことがありませんでした。誘われたときも正直、少し及び腰だったのですが、なにせ「第二の人生」、やり残して悔いなど残すのはもってのほかです。幼き日の冒険心を思い出して・・・なんて大袈裟なものではなく、定年して暇を持て余している友人が、同じように暇を持て余している私を誘った、というだけです。
とにかく、これまで気になっていたジャズ喫茶に、60を過ぎてついに足を踏み入れることに成功したのです。
扉を開けた瞬間、私の心臓は高鳴っていました。
まるで気分は西部劇、荒くれどもの集うバーに単身乗り込むカウボーイ(イーストウッド主演)。だと格好いいのですが、私は腹の出た、ただのメタボな団塊世代。お店の中にいる方々も、やっぱり皆さんお洒落な雰囲気はお持ちでしたが、それでもメタボ率は高い(笑)。照明が若干落ちていましたので、影が出来て分かりづらいのですが。
決して広いお店ではありませんので、自然と周りの方々との会話は始まりました。そうして、「メタボ」と「定年」を肴に、あっという間に打ち解けてしまいました。
今まで敷居が高いと敬遠していた自分が馬鹿らしくなりました。むしろこんなに入りやすいところはないのではないか、そんな気さえしたのですから。
入ったら入ったで、その和やかな雰囲気だけでなく、やはり流れるジャズ音楽に魅了されました。
ジャズと聞くと、その奥の深さからか、逆に手を出せずにいました。もちろん大御所のルイ・アームストロングやマイルス・デイヴィスの名前くらいは知っていましたが、ミュージシャンが多すぎて名前もさることながら、とても憶えきれるものではない・・・そんな印象だったものですから。
そんな先入観も、流れる曲、そしてその後に始まった即興の生演奏セッションで吹き飛ばされました。吹けば飛ぶ、そう、まるで私の毛髪のように(笑)。これまでの私のこだわりなんてきっと、毛根の弱った毛髪程度のモノだったのでしょう。いやいや、それだけジャズの巻き起こす風が強かった、とも言えるでしょうけれど。
とにかく、ジャズ初心者の私でも、すっかりジャズ喫茶を満喫して家路に着きました。誘ってくれた友人には丁重に礼を述べました。